「アウトサイダーパラダイス」最新①巻、好評発売中!
著者:涼川りん
定価:726円 (本体660円)
ISBN:9784575859119
プロの漫画家になるまでの経緯を教えてください。
双葉社の漫画アクションに「りとる・けいおす」を持ち込んだら拾ってくださいました。
新しい企画を立てるときにまず何から考えますか?
最初はキャラクターから考えます。
デザインから更に性格が生まれることもあるので、デザインもセットで考えたりします。
魅力的なキャラクターを作るために気を付けていることはありますか?
頭の中で会話がどれだけでも出てくるようなキャラクターが望ましいと思います。
キャラクターから自然と物語を紡いでくれることも多々ありますので、そういうキャラに出会えた時は大切にしてください。
ストーリー作りの練習のためにしていることや、しておいてよかったことはありますか?
沢山のインプットは大事だと思います。漫画以外にも小説や映画やドラマでも昔の名作なども沢山見て自分の中のコップの水を少しずつ増やすようにしてます。
「第1話」のネームを作る時に何を一番大切にしていますか?
分かりやすくを一番に心がけているのですが自分でもまだまだ客観的に見れないことが多々あるので、そういう時は担当さんなどの第三者の目線を大事にするようにします。
編集者との打ち合わせで心がけていることはありますか?
自分では気づかなかった目線やミスなども指摘してくださる事も多々ありますので、そういう時は大変助かります。
たまに方言だと気づかずに方言のセリフが入っていることがありまして、通じなかったと言われて初めて方言だと気づくことがあります笑
プロになるまでに一番辛かったことはなんですか?
デビュー前はなかなか作画やネームのスピードが上がらなかったのですが、数をこなさないとデビューにはなかなか到達しない…という部分が一人で苦悩してました。
背景に3Dツールを使ったり絵柄の模索などをして、これならなんとか隔週連載できる…と思って仕上げたのが「りとる・けいおす」でした。
漫画を描いていて一番楽しい瞬間はいつですか?
今まで描いたことのない展開や雰囲気のシーンを描いてる時は自分自身もどんな感じに仕上がるのかわからない感じで描いてるので、わくわくしながら描いてます。
新しいことに少しでもチャレンジできたな…と思う瞬間はいつもすごく楽しいです。
11月28日に発売された新刊「アウトサイダーパラダイス」1巻について、「ここを一番見てほしい!」というところを教えてください。
優しい話やふざけた話や不気味な話やほんの少し悲しい話もあるかもしれませんが、それら全てが彼女たちの物語となっています。
タイトルの通り、彼女たちの楽園はどこにあるのか…そもそもそんなものは存在するのか…もし存在するとしたらそこに辿り着くことはできるのか…が一つのテーマとなっているので、彼女たちのもがき苦しんで何かをつかもうとする姿を是非一緒に見守ってください。
作画に関しましても「りとる・けいおす」「あそびあそばせ」と毎回変化させていましたが、今回「アウトサイダーパラダイス」でも実験的な変化を取り入れています。
「りとる・けいおす」と「あそびあそばせ」まではコミックスタジオの3Dを使っていましたが、今回はblenderを取り入れています。
まだまだ試行錯誤してる状態なのですが、読者の方に楽しんでもらえるよう頑張りますのでよろしくお願いします。
11月28日に発売された新刊「アウトサイダーパラダイス」1巻について、一番好きなシーンやセリフを教えてください。
アウトサイダーパラダイスは今までと違うことにチャレンジしながら描いているので、全部がお気に入りの話ばかりなのですが、特に3.5話(※単行本では「第1話another side」として収録)のラストでエルメスちゃんが「嫉妬した?」というセリフを思い出して「今したよ…」という独白をするシーンがお気に入りです。
その時の笑みが、エルメスちゃんの作品がぺんぺんによって誤って破壊されるという不幸を見てやっと「嫉妬」という感情を認められた自分自身の愚かな部分に対する自虐的な笑みだったりするのですが、そういう部分が読者に伝わってれば良いな…と思います。
最後に、プロの漫画家を目指すにあたって一番大事なことを教えて下さい。
最近、肩と首を壊しまして、なかなか思うように作業ができないので悩みなのですが、新人の方も身体を大切にして頑張ってください。
メンタルとフィジカル、両方が元気でこその漫画家人生なので、どちらかが悲鳴を上げた時は決して無理をせず、一人で抱え込まないで誰かに相談してください。
テクニックの部分では個人的にはスピードが一番大事な気がします(自分もまだまだ遅いのですが…)。
スピードは体力がなくなってくるとどんどん遅くなる部分ですので、体力があるうちにスピードを出す事をぜひ心がけてください (私もまだまだなのですが…) 。