「本橋兄弟」最新⑥巻、好評発売中!
著者:RENA
定価:792円 (本体720円)
ISBN:9784575859461
プロの漫画家になるまでの経緯を教えてください。
pixivにまとめて載せていた漫画を見つけてもらい、連載してみないかと声をかけていただいたのがきっかけです。
今ほどX(Twitter)に漫画を載せる事が主流ではなく、pixiv中心に活動していました。
その前は同人誌を描いたり他のSNSで漫画を載せたりしていました。
新しい企画を立てるときにまず何から考えますか?
真っ先に考えるのはメインになるキャラクターの見た目、ざっくりとした性格、特徴、能力です。
何人かキャラクターが出来上がったら、関係性を作ったり、性格や能力から起こりうる出来事などを考えつつキャラの地盤を固めます。この時に世界観やストーリーもキャラクター達に合ったものを練り上げます。
魅力的なキャラクターを作るために気を付けていることはありますか?
人の性格や性質は単純なものではないので、二面以上の性質を持たせるようにしています。
純粋なのにすべてに通じているような包容力がある、自信家だけどコンプレックスを抱えている、明るいけど家庭環境や学生時代にトラウマがあるなど。それらをできるだけ軽い読み味で表現するようにしています。
ストーリー作りの練習のためにしていることや、しておいてよかったことはありますか?
フォロワーが一人しかいない鍵付きSNSアカウントで、ひらすら思いついた場面を漫画に起こしては投稿(または下書き行き)を繰り返して、四桁に届くくらいには描き続けたことです。
今はとにかくインプットをしたいので、まとまった時間ができた時に人の作品を見ては言語化、をやります。
「第1話」のネームを作る時に何を一番大切にしていますか?
第1話の時点で3話目くらいをどんな話にするのかと、最終回をどんな話にするのかを決めておくことです。
最後がどんな終わりになるのかを決めておくことで、逆算して伏線を入れたり話の寄り道もさせやすいと思います。
編集者との打ち合わせで心がけていることはありますか?
まず、キャラクターのことはたくさんやり取りをして深く知ってもらいます。
そしてとにかく気楽に打ち合わせに入れるように、普段から雑談なども交えながらお話をします。
楽しくやり取りができないと脳がリラックスできずに良いアイデアも出づらいので、話が盛り上がって脳のエンジンかかったあたりでアイデアを話し合うと自然に良い案が出ます。
新人の頃に言われた言葉で、心に残っている言葉はありますか?
初めて単行本を出した時「絵が下手で無理・読む気が起きない」等のレビューを見て、とても落ち込みました。
自分は内容の批評を受けたいと思っていたのですが、絵を苦手に思われるとそこに到達できないという現実を知りました。
お金を出して漫画を読んでもらうハードルの高さを痛感しました。
印象的なセリフ回しを考える時に、参考にしているものはありますか?
今まで自分が見てきた書籍・漫画・映画・その他文字で表現されているものの中で、好きだと感じた言い回しの全てが自身の表現につながっています。
また、決め台詞はできるだけ文字数を減らし、意味がスッと入るようにしっくり来るまで直します。
4月18日に発売された新刊「本橋兄弟」6巻について、「ここを一番見てほしい!」というところを教えてください。
やはり最終回です。
この終わり方にすると最初から決めていたのですが、当初は考えていなかったシーンを肉付けしたり、表現を模索したり、最終回まで描かずに取っておいた兄弟の一面や表情をここぞとばかりに入れたりと、色々力を込めて描きましたので注目してみてほしいです。
4月18日に発売された新刊「本橋兄弟」6巻について、一番好きなシーンやセリフを教えてください。
好きなシーンは上記に描いた最終回の一連のシーンです。好きな台詞も最終回の中で二人が交わす言葉です。
後はとみちゃんや要司さんの台詞はギャグの決め台詞になっていることが多いのでお気に入りのものが多いです。
最後に、プロの漫画家を目指すにあたって一番大事なことを教えて下さい。
個人的に漫画は物語だと思っているので、絵も大事ですが話やキャラクターがより大事だと思っています。
上記の私のように絵で読者さんを逃してしまうこともありますが、話自体が誰かの感性に刺さらないと続けて見てもらえないという問題が出てきます。今はSNSなどを活用して見てもらえるチャンスが作れるので、ガンガン描いて自分のどんな話がどんな層に刺さるか研究してみるなど、自分の作品を客観視する場を沢山持つことも役に立つかなと思います。