趣味で二次創作をしていたのですが、その時イベントで漫画編集者さんから「オリジナルを描いてみませんか？」とお声がけ頂いたことがきっかけです。
不安な気持ちもありましたが、とりあえず連載ひとつ描き切ってみよう！という気持ちで飛び込んでみました。
はじめてみて大変なことはたくさんありましたが、それ以上にとても楽しくて、今も描き続けてる、という経緯です。

キャラクターデザインと、自分の心が少しでも動く世界観です。
プロットを切る時は自然とキャラクターの内面と向き合うことになるので、その土台自体に魅力がつまっていると、キャラの性格やストーリーを膨らませやすいです。
「きみは謎解きのマシェリ」の時は、朔のキャラデザは既に決まっていました。そのあとたくさんの単語を並べた結果、大正時代×女性探偵ということばに惹かれて、マシェリの世界観が出来上がっていきました。

キャラクターの芯と弱さです。
二つを軸にすることで、登場人物がどんな世界で生きているのかを想像しやすくなります。
例えばマシェリの主人公・美津子は真面目で仕事人間（芯）ですが、女性であるという理由で夢を諦めた過去を持つ（弱さ）キャラクターです。
そのひとの人生を読者が垣間見た時、はじめて魅力が伝わるのかなと思っています。

自分の感情に素直になることです。
日常生活でも、ひとつ映画をみたときでも、楽しかったり、悲しかったり、興奮したり、切なくなった時、そのときどきの気持ちを大事にしています。
少し経ってから、なぜそう思ったのか？を整理しておくと、ストーリー作りに詰まった時に存分に発揮できます。

登場人物たちの心の内側がはっきりと見える瞬間です。
表情やセリフ、または演出などで、読者にこのひとたちの気持ちを届けようと思いながら作っています。

編集さんは何を思ったのかな、と想像することです。
プロットやネームを見せた時、返ってくる言葉をそのまま受け取ってしまうと、思考がストップしてしまうので、その言葉を発した編集さんの気持ちにスポットを当てます。そして、自分が描いたものが、どれだけ伝わっているのか、伝わっていないかの確認をします。

どの瞬間でシャッターを押すかです。
表情や、手の動き、魅せゴマだったらいちばん魅力的な瞬間、小さなコマだったら自然に読める瞬間を絵にしたいなと思って作画しています。

セリフ・演出と、キャラクターの作画がバチっと決まったページを描き上げた時です。毎回試行錯誤して唸っています。

美津子のギャグ顔と、最近マスコットキャラクター化してる朔のキメ顔です！

「秘密を運ぶ伝書鳩①」の「今何考えてる？」「助けてって言ってくれたら助けるよ」と推理そっちのけで鳩に心をくだき続ける朔のシーンです。

読者に伝える力です。
自分の描きたいものと、それを受け取った人たちがどう感じるのかをすり合わせながら作る力が必要です。
何を描いたらいいかわからなくなった時、夢中になって漫画を読んでいた子ども時代の自分を読者として想定すると、すんなり物語が思い浮かんだりします。