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クール教信者先生の漫画創作Q&A
  • Q.

    プロの漫画家を目指すにあたって一番大事なことは?

  • クール教信者先生

    「読者が読んでどう感じるか」をしっかり考えて描けるかどうかだと思いますね。「一般的な人はこう考えるだろうな」という感覚は必要です。多くの人が読んでいる作品にも普段からちゃんと触れて、漫画としての常識のラインを自分の中でしっかり持っておく必要はあると思います。

  • Q.

    奇抜なキャラクターを描きたいのですが、うまく読者に魅力が伝わりません。

  • クール教信者先生

    個性的なキャラクターを表現する時に、ただ「そういうキャラです」と描くだけでは読者の持っている常識とのズレが出てしまいます。キャラクターのことを読者に印象づけるためには、そこを解消してあげるべきだと思います。何か奇行をするにしても、フィクションなりの理由があるはず。キャラクターが何を考えているのか伝わるような描写が必要です。

  • Q.

    キャラクターを掘り下げるためにはどうすればいいでしょうか。

  • クール教信者先生

    誤解を恐れずに言うと、独りよがりになってみたほうがいいかもしれません。「このキャラクターはこう考えているに違いない」という断言に遠慮を持ってはいけません。自分なりの勝手な深読み・邪推は必要なのかなと。
    そうすると次第に仮面(ペルソナ)的なキャラ造形ができてくるので、キャラクターのある一面だけを描いたとしても、“そういう一面もあるんだな”と読者も納得してくれるようになるわけです。つまり「いろんな面を見せる」ということが大事です。その先に自然と読者なりのキャラの掴み方も生まれてきます。

  • Q.

    キャラクターを軸にしてお話を作るためのコツは?

  • クール教信者先生

    大雑把に言うと、エピソード軸の場合はプロットを用意します。キャラ軸の場合は、ちょっとしたテーマさえ与えればあとはキャラクターがテーマに沿って動くようにして、なんとなく起承転結になるように作ります。後者の場合は複雑なプロットはなくてもいいかもしれません。

  • Q.

    作画については全体のバランスを見て描きますか?

  • クール教信者先生

    どうしても印象づけたいコマは全力でやって、流れでやるコマはさらっと描くことが多いです。

  • Q.

    描きたいものが多くて、一つの作品の中で軸がぶれてしまうことがあります。

  • クール教信者先生

    まずはプロットを最初に書いてみて、「これだけは大事だ」というポイントは決めておくのが大事です。スタートとゴールをしっかり決めておけば、展開に紆余曲折あってもぶれることはないと思います。あとはその大事なポイントを盛り上げるための工夫をすればいいだけになります。

  • Q.

    どうしてもコマが窮屈になって、読みづらくなってしまいます。

  • クール教信者先生

    ストーリー全体のページ配分はあらかじめ確認しておくといいです。特に導入は大ゴマで読みやすく作ったほうがいいと思っています。

  • Q.

    ストーリーづくりを訓練するためにはどうすれば?

  • クール教信者先生

    大前提として「プロット(起承転結)を書く」ことです。4コマ漫画でその話を描けるかどうかを考えて、その4コマにどんどんコマを足していく。そうするとツリー形式で展開が膨らんでいくので、最後にページ数の制約なども考慮して取捨選択してコマ数を調整していくわけです。それができたら初めてネーム入れをしていくといいでしょう。
    『小林さんちのメイドラゴン』8巻も長編なのですが、その時にはしっかりプロットを書いて制作しました。

  • Q.

    現在6本もの連載を抱えていらっしゃると思うのですが、どうやってそれだけの作品を描き続けられるんでしょうか。

  • クール教信者先生

    キャラクターをしっかり作ったおかげだと思います。ネタありきの作品だとネタが詰まると書けなくなるので、たまにキャラクターで話を作ってみたり。キャラクターありきで作る場合はテーマさえ用意すればいいので、話を考えるカロリーとしては軽い方になります。大喜利みたいなもので、「このキャラクターでこのテーマで大喜利したらどうなるか」から話を作ればいい。お話ができれば、あとは見せ方次第でまた印象が変わるので、そこで調整していくイメージです。

  • Q.

    たくさんの連載本数を回しながら、インプットする時間はどう捻出しているんですか…?

  • クール教信者先生

    無理にでも寝たりとか、無理にでもゲームしたりとか。無理矢理インプットしてるという感じなので、人にご迷惑をおかけしてしまうこともあると思うんですが。傲岸不遜とでも申しますか、ギリギリになって誰かに迷惑をかけてしまったときに引きずらないようなメンタルも必要なのかなと思っています。もちろん怒られたら反省しますけども。

クール教信者先生、貴重なお話ありがとうございました!